「ギターシールドぐらいだったら自作したほうが安いよ」
そんな話を聞いたことはないでしょうか。
シールドを作って売る人に利益が出るのだから、自作したらその利益の分安く作れるだろうというのは想像しやすいことです。
しかし、実際の所その価格差がいくらぐらいなのか、すぐに思い浮かぶ人は案外少ないのではないかと思います。
自作が断然お得なのか、出来上がったものを買ったほうが良いと思える程度の価格差なのか。
今日はその点を検証しようと思います。
ギターシールドにおける自作と既製品の価格比較
比較対象となる既製品
まず比較対象となる既製品の紹介です。
AmazonにてCABLECRAFT音光堂さんが出品されているBELDEN#9395、3mのSSです。
個人的にずっと愛用しているシールドで、過去に何本も購入していますがハズレを引いたこともなく、優れた品質であるとおもいます。
こちらのお値段が記事執筆時点で3050円。
これが今回比較する価格となります。
自作に必要なパーツ
次にギターシールドを自作するのに必要なパーツについて確認しましょう。
- はんだごて
- はんだ
- ケーブル
- プラグ×2
- 熱収縮チューブ
最低限必要なのはこのくらい。
さまざまな工具類があったほうが作業はしやすいのですが、工具類のコストはシールドを何本作るかによって一本あたりの原価に含む金額が変わってくるので、今回は含みません。
はんだごても、すでに持っている方は費用から省くことができますね。
パーツの価格を検討する
はんだごて
シールド作るくらいなら安いやつで十分です。
この白光の安いはんだごてのセットなら、簡易的な置き台やシールド一本作るには十分なはんだも付属します
643円。
はんだ
ギターパーツのはんだには、なぜかKester44というはんだを使用するのが定番です。
正直ぼくは違うはんだで作ったシールドを渡されても、音の違いを聴き分ける自信はないです。
ただKester44も値が張るわけではないので、おとなしくセオリー通りのチョイスとしておきます。
1mで270円。
ケーブル
ここはいわばギターシールドの本体。音質に大きく関わる部分なので、同じBelden#9395で検討します。
サウンドハウスにて1mあたり380円で売られています。
それを×3で1140円。
ここまでをすべて購入しているとこの時点で2053円。
すこし雲行きが怪しく感じます。
プラグ
ここは比較対象と同じものを使うのか安く済ませるか、結構な価格差があります。
まずは同じものから見ていきます。
定番パーツのスイッチクラフト#280の価格がサウンドハウスにて350円。
両端に使用するので2個で700円ですね。
SWITCHCRAFT ( スイッチクラフト ) / 280
次に格安ラインナップでおなじみのクラシックプロのプラグを見てみます。
P12モノラルフォンプラグと言う商品が1つ100円で売られています。
それを2つで200円。
スイッチクラフト製とこの項目で500円の差が生まれます。
こちらも製品レビュー欄を見る限り、評判は良さそうです。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / P12 モノラルフォンプラグ
熱収縮チューブ
はんだ付けした箇所をキュっと締めるチューブです。
ヒートガンというめっちゃ熱いドライヤーみたいなのを使うと楽なんですが、今回は使わない考えでいきます。
安く済ませたいときはライターで燃やさないようにあぶって頑張りましょう。
ジッポなら両手が使えるので100円ライターより少し作業しやすいです。火事厳禁。
1m品が148円です。
多分、10センチくらいしか使いませんが。
いざ、比較
さて、これでパーツが全て揃いました。
比較対象の3050円に対して、どのくらいの安さまで抑えられたでしょうか。
結果は、2901円でした。
意外にかかるなーと感じませんか?
ただしこれは、はんだごてもはんだも購入し、プラグはスイッチクラフトにした場合の金額です。
全く何も手元にない状態から、既製品と同じパーツで制作しようとした時にかかる費用。というわけですね。
すでにはんだごてに加え、はんだと熱収縮チューブというロットの大きい消耗品を持っている場合は、かかる金額が大きく異なります。
それに加えてプラグもクラシックプロ製で制作する場合、ケーブル+クラシックプロP12×2の価格で制作できます。
その金額は、1340円です。
この場合は比較対象の半値以下までコストが下げられています。
今回のまとめ
手元にはんだごてを所持していなくて、なおかつ定番のパーツで製作されたシールドが1~2本だけほしい。と言う方は、出来上がったものを買ったほうが良いような気がします。
わずかな価格差と出来上がりの品質を比べた時、そのほうが無難かなと思います。
製作するのも時間を取りますし、はんだの腕前などはやはりプロはレベルが違いますので。
対して、自作の強みは数をこなした時に、一本あたりの単価を下げていけることにあると思います。
今後も何本も作るだろうし、XLRケーブルやパッチベイも作っていきたい。という方は手元の余っているはんだやチューブなんかをその都度使えるので、結果買うものが少なく済みます。
断線した手持ちのシールドから、プラグだけを外して再利用するなんて方法も考えられます。
作るならがっつりとあれもこれも自分で作る。それがケーブル自作がどんどんとお得になる秘訣だと思います。
自分がこの先、どれくらいケーブルの製作を行うのだろうか。という点から自作に手を出すか検討されてはいかがでしょうか。
それでは。