今回取り上げるStudio One付属エフェクトは「Flanger」です。
コーラスやフェイザーと似たような揺らし系エフェクトのフランジャー。
このエフェクターもStudio Oneには最初から付いてきます。
操作するパラメータの数も少なく手軽に使えるエフェクトになっているので、早速見ていきましょう。
Flangerの使い方とレビュー
外観
まずは外観から。
かなりシンプルな作りになっています。
Feedback/Delay
[Feedback]でフランジャーエフェクトの強さを調整します。
12時の0.0%から左右にそれぞれ90%まで調整できるのですが、左右の違いは位相が反転していることであり、どちらも回すほどにエフェクトの掛かりが強くなります。
[Delay]ではフィードバックさせた信号が戻って来る時間を調節するのですが、効果だけをすごくわかりやすく言うと短いほど高音域で、長いほど低音域でフランジャーの効果が出ます。
この項目でフランジャー独特の揺れが欲しい帯域に来るように設定します。
Modulation
[LFO-Amount]ではフランジャーのゆらぎの範囲を設定します。
弱くするほど[Delay]で設定した帯域付近でエフェクトが掛かり、強くするほど広い帯域でうねりを生み出します。
お好みで設定すれば良いのですが、強めのほうがイメージ通りのフランジャーらしいかなぁとは思います。
[Speed]ではゆらぎが一周するのにかかる時間を決めます。
早くするほど強烈にエフェクトを感じますが、本来のピッチ感も薄れてしまいます。
[Sync]ボタンを押すことで[Speed]がHzからテンポ表示へ変わり、1/4や8/1などDAWで設定しているBPMに合わせた値に設定することが出来ます。
Global
[Mix]では原音とエフェクト音との割合を設定します。
0にすると原音のみ、100%にするとエフェクト音のみとなります。
好みの問題ですが、強めに設定しても原音感が割とあるので高めの数値にしても大丈夫かと思います。
使い方
エレキギター用に使うのが一般的かなぁと思います。
歪んだギターにかけて強烈なうねりを生み出す使い方もあるのですが、個人的にはフェイザーのようにカッティングギターに掛ける使い方が好みです。
実際に掛けてみたサンプルを置いておきます。
設定値は次のとおりです。
クリーンなサウンドでは少し物足りないときの味付けとして、コーラスやフェイザーと並ぶ選択肢として加えてみるのもありかなと思います。
総評
良いところ
いじれる項目は少ないですが、フランジャーとして十分に使えるように出来ていると思います。
ギター用のフランジャーの定番機種であるBOSSのBF-3も4つのノブと1つのモード切替ノブの計5つしか無いですし、これくらいシンプルな方がむしろ設定には迷わなくていいかなと感じます。
プリセットも割とありますし(ギター用だけで12個)、自分でいじらずプリセットを読み込ませるだけの使い方でもいけそうです。
悪いところ
特に悪い点は見つかりません。
あえて粗探し的な文句をつけるとすれば、ステレオ感を調整するWidthなどの項目があればもっと音作りの幅が広がるのになと思います。
他社製のものを探してみても、フランジャーのプラグインというのはあまり種類が出回っているようなものでもないので、付属プラグインで出来ることはもうちょっとあってもいいのかなと。
おすすめな代替プラグイン
ArturiaのFLANGER BL-20をおすすめします。
このBL-20は出来ることも多くプリセットも豊富な点がいい感じです。
エフェクトを作り込むことも、プリセットでサッと済ませることもどちらも出来るので、フランジャーを使いたいときは個人的にはこれが第一候補に上がります。
今回のまとめ
今回はStudio Oneに付属するエフェクトからFlangerを紹介いたしました。
ギタリスト以外はあまり馴染みのないエフェクトかも知れませんが、ギターだけに限らず色んなところでぜひ試してみてはいかがでしょうか。
それでは。
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