GoogleやYoutubeで検索することによって、ありとあらゆる情報が容易に得られることも今や当たり前に。
そんな時代においてはもはや少数派かもしれませんが、僕は未だに書籍から知識を得ることが好きだったりします。
今まで数多くの本を読む中で、DTMに関する本や雑誌も色々と手にしてきました。
もちろんその中には、役に立つものやあまり役に立たないもの、分かりやすいものや分かりにくいものが存在します。
DTMに関する書籍は一冊の値段が2~3千円くらいするものも多く、せっかく買うのであれば言い方は悪いですが「ハズレ」は引きたくないものです。
そこで今回この記事では、僕が今までに実際に購入して読んだ書籍のなかで「これは役に立ったなぁ」とか「これは値段分の価値がある」と思えたものを厳選して、ご紹介していきたいと思います。
DTMを勉強するときに役立った10の書籍
コード理論大全
ダイアトニックコードに始まるコード理論の初歩から、モードにコンパウンドコードと初級者の範囲に収まらないところまでコード理論が一通り網羅されています。
400ページを超えるボリュームで、パッと読んでマスターとはいかないと思いますが、コード理論を学ぶうえでの土台作りにはうってつけの書籍です。
全くの音楽初心者にはとっつきやすい本とは言いにくいですが、ゆっくりと時間をかけてでも向き合う価値のある一冊だと思います。
ギタリストの方には、本書の著者である清水響さんが執筆された「ギターのためのコード理論体系」という書籍もおすすめです。
そちらはタブ譜での記載であったり、ギターでのボイシングが詳しく書かれていたりとギタリストに向けた良書なのですが、内容的にはかぶっているところも多く、どちらか一冊で良いかと思います。
クラブ・ミュージックのための今すぐ使えるコード進行+ベース&メロディ
僕はずっとギターやベースに触れてきたロック寄りの人間だったので、クラブミュージックに関しては知識がほぼゼロからのスタートでした。
この本では紹介されたコード進行に対してピアノロールでコード、ベース、メロディを打ち込んだ例が多く掲載されており、空っぽの頭に打ち込みで作る音楽の引き出しを叩き込むうえで参考になった一冊です。
ただやみくもにコード進行を紹介するだけでなく、その進行がおすすめなジャンルや進行上で使用できるスケールといった記載もあり、すごく為になりました。
転調テクニック50
コード進行をある程度作れるようになったら曲中でガンガンやりたくなってくる転調。
50パターンの転調を含んだコード進行の例が紹介されていて、転調方法の引き出しを増やすにはもってこいの一冊です。
見開き2ページの左ページにコード進行と五線譜上でのボイシング、右ページに解説と読みやすくまとまっている点もいい感じです。
ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版
幼少期からバイオリン等を習っているか、吹奏楽部にでも所属した経験がないとなかなか馴染みのない、ブラスとストリングスのアレンジ方法を学べる一冊です。
まずストリングスとブラスの各楽器の構造から基本的な奏法の解説がなされたのち、色々なアレンジの例が紹介されています。
譜例はリットーミュージックの商品ページから音源をダウンロードして聴くことができるので、五線譜に苦手意識がある方でも学びやすい書籍と言えると思います。
ドラム・パターン大事典326
二小節のドラムパターンがジャンル別で多数掲載されている書籍です。
曲を作っていて「なんかいつも同じドラムパターンだなぁ」となることが時折あるのですが、そんな時に目を通して参考にしています。
「ドラムパターンなんか数種類しか知らん。」という方への辞書的な感じで手元にあると便利かと思います。
現在は僕が買ったバージョンからリニューアルされていて、内容は同じですが誌面のQRコードを読み取って演奏動画を見れるようになったようです。
ドラム・フィルイン大事典413
先ほど紹介した本のフィルインバージョンです。
「ここでドラムフィルを入れたいが、具体的なフレーズが思いつかん」という時にかなり参考にしました。
本書では数多くのフィルインが紹介されているのですが、フィルインの長さごとに分類されているのがとても使いやすいです。
2拍のフィルインや1小節以上のフィルインなどフレーズの長さごとにまとめられているので、イントロやセクションの展開部分など今悩んでいるポイントにはまるフィルインが探しやすいです。
エッセンシャル・ディクショナリー 楽器の音域・音質・奏法
文庫本サイズに150の楽器の音域や奏法が解説されているポケット辞書的な一冊です。
打ち込みをしている時、無知ゆえに「この楽器ってこんな高い音出るんか?」といったような不安にかられることがあり、そんな時に確認するために今でも手元においています。
150の楽器が掲載されていますがすべてが同じ熱量で紹介されているわけではなく、ストリングスやブラスは詳しく、ギロやクラベスといったパーカッション類は少しだけといった感じで楽器ごとの温度差はあります。
DAWミックス/マスタリング基礎大全
「ミックスとは?」というスタート地点からマスタリングまでの工程を網羅した書籍です。
曲ができたあとに必要となる作業ですが、作曲や演奏技術とはまた違う知識を求められる作業ですので、全体の知識を一通り得るのに適した一冊です。
まずはこの本でミックスからマスタリングの流れを理解したうえで、ロックやEDMといったジャンルに特化した方法であったり、リバーブについての詳しい解説であったりと細分化を勧めていくのが良いのではと思います。
ミックス&マスタリング音圧アップの鍵は「EQとコンプ」
こちらはミックス作業でも特に出番の多いEQとコンプに特化して解説されている書籍です。
ギターやボーカルなど各トラック毎の処理のポイントがEQとコンプそれぞれで解説されています。
書籍後半では、マスターに対するEQやコンプのポイントも掲載されています。
全体の割合としては個別トラックに対するEQとコンプ、そしてマスターで4対4対2くらいの配分です。
自分で作った曲を完成形まで持っていくうえで、避けては通れない2つのエフェクトを学ぶのにすごく為になりました。
配信映えするマスタリング入門
今では「個人でのリリース=配信」が当たり前な時代になったと思いますが、古い書籍ではCDリリースを前提とした解説がなされている場合もあります。
この本では配信でのリリースに特化して、わかりやすくマスタリングのポイントが解説されています。
要点をシンプルに解説されており、160ページほどのページ数に文字数も少なめでサラッと読めてしまいます。
本文中にEQやコンプの設定の参考画像として掲載されているプラグインはFabfilterやUADだったりするので、持っていない場合は手持ちのもので置き換えて考える必要はあります。
今回のまとめ
今回は僕が実際に手を取ってみて、すごく役に立ったなぁと思った書籍を10冊紹介しました。
これらの中にあなたの悩みを解決できそうな物があれば、ぜひ手にとって見てください。
それでは。