Studio One7のリリース時に、2mixを最大4つのステムに分割できる新たな機能が追加されました。
ドラムを差し替えるようなリミックスに使用したり、ベースやドラムを耳コピする際に聴き取りやすくしたりなどの使い道が考えられますが、肝心なのはその制度と音質です。
例えば、ボーカルを抜いてカラオケ音源を作ったのにすごく音質が劣化していたりすると、使いたい用途で全く使い物になりません。
今回はそんなステム分割の精度と音質を検証するため、サンプル用の音源を用意しましたので興味のある方は続きをお読みください。
音源分離機能は実用レベルか?「精度・音質・使い道」を徹底レビュー
ステム分割機能の使い方
検証の前に、簡単にステム分割機能の使い方を解説しておきます。
ステム化したいオーディオイベントを選択して、画面上部の「オーディオ」から「ステムを分割」と進むことでステム分割機能を使用できます。

4つの項目から抜き出したいものを選択します。
この画像のとおりだと4つのステムに分割されますが、複数の要素を一つのステムにすることも可能です。
例えばドラムとベースを選択して、「結合・選択されているステムは新規トラックにバウンスされます」のチェックをオンにすることでドラムとベースが含まれる1つのステムを抜き出すことが可能です。
【サンプル検証】分割前の2Mixと分離した各ステムの音質
分割前の2mix
まずは2mixの状態のものです。
数種のアレンジパターンのよる違いも確認したかったので、4つほどアレンジを切り替えています。
色々と詰めが甘い部分はあるのですが、サンプル用の音源なのでそこはご容赦ください。
4つに分割したステム
ボーカルのみ
Voのみ抜き出したものです。
少々ノイズ混じりではありますが、大体は抜き出せています。
ただケロケロさせると全くダメなようです。
ベースのみ
次はベースです。
前半の指弾きでのエレキベースはきれいですが、スラップは少々ノイズ混じりです。
シンセベースは今回は割とノイズ混じりですが、こちらは選ぶ音色にもよる感じがします。
ドラムのみ
お次はドラム。
音質の劣化を感じますが、ドラムパート自体はかなり精度良く2mixから抜き出せていると思います。
上モノのみ
次はギターやピアノなどの上モノです。
Studio Oneのステム分割での名称は「その他」となっています。
こちらも割と精度良く抜き出せていると思いますが、エフェクト多めのコーラスやケロケロボーカルはこちらに分類されてしまうようです。
各ステムの分離精度と音質:実用性について
各ステムの印象
そこそこ精度自体は高くステムを分割できていると思うのですが、音質の劣化が気になるところです。
そこで次に検証してみたいのは「ステム分割機能を使用した時点で音が悪くなる」のか「細かく分割するから音が悪くなるのか」という点です。
ボーカルだけを抜いたカラオケ音源を作り、今までの4つに分割したステムと2mixから1/4の要素だけ抜いたステムを比較してみたいと思います。
音質劣化を避けるための結論:必要以上の細分化は避けるべし
こちらがボーカルのみを省いたものです。
4つに分けたものと比べるとかなり音質的にマシだと感じます。
つまりドラムとベースは分けずに同じステムにまとめるなど、必要以上に細かく分割することを避けることで、音質の劣化を軽減することが出来そうです。
今回のまとめ
今回はStudio One 7で追加された2mixからステムに分割する機能について検証してみました。
個人的には抜き出したステムを何かに使うというよりは、参考にしたい曲のベースラインやドラムフレーズをしっかり研究したい際などに強い味方になってくれる機能だと感じました。
せっかく追加された機能なので、ぜひぜひあなたなりの使い方で役立てていってください。
それでは。
当サイトでは他にもStudio Oneの機能やワークフローに関する記事がございます。
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