DTMにのめり込むと、ついつい欲しくなってくるアウトボード機材。
いきなりプロユースの高級機材に手を出す人はまれで、まずは比較的安い価格帯のものから導入してみるケースが多いと思います。
低価格帯の製品でも高い評価を受けているものが数多くあるのですが、それらを眺めているとよく見かけるネガティブな意見があります。
それが「安価なアウトボードはノイズや音の劣化につながるからあまり使わない方がいい」といった種類のものです。
確かに、これは正しい意見だと思います。
プラグ類の接点が増えること+高級品と比べると使っているパーツの品質に差がある事からノイズや音の劣化につながるというのは非常にわかりやすい話です。
しかし、「どれぐらい音が変わるのか」とか「どれぐらい音が劣化するのか」といったそのマイナスの程度を分かりやすく伝えてくれる情報と出会うことはあまり多くありません。
気にならない程度か、我慢ならないほどか。その度合いが分からないと買う買わないの判断ができないではないかと感じます。
そこで、今回この記事では「DAW内で完結したもの」と「それを安価なアナログミキサーに通して戻したもの」この2つを単純に並べて比較をしていきます。
ほんの数例でしかないサンプルですが、「1つ通すだけでこれくらい変わるんだ~」という感じで機材の導入を迷っている方の判断材料の一つになれば良いなと思います。
前置きが長くなりました。本題へと進みます。
安物アウトボードは通すと音が悪くなるのか?
使用する機材
今回はアナログミキサー、MackieのProFX12v3を使用します。
価格はこの記事の執筆時で4万円前後。
同じくらいのトラック数を持つアナログミキサーの高級機、SSLのBiG SiXと比較すると10分の1ほどの価格です。
このミキサーに、Studio One → Focusrite Clarett → Mackie ProFX12v3 → Focusrite Clarett → Studio Oneという音の流れで試してみます。
比較
まずはPC内で完結させたドラムトラックを。
そしてこれを一度ミキサーを通したもの。
この2つの差を大きいと捉えるか小さいと捉えるか、それこそが今回この記事で提示したい個人の感覚におけるマイナスの程度というものです。
この2つのサンプルの波形を並べたものがこちらです。
見比べてみるとやはり音が変わっているというのは間違いないです。
次は先程のドラムにクラビネット、ギター、サックスの打ち込みをサッとベタ打ちで入れた2mixです。
いかがでしょうか。(絶妙なダサさは置いといて。)
ミキサー1台を通ってくるだけで起こる変化とはこれくらいのものです。
僕個人の意見としては、「たしかにちょっと変化してるけど、思ったほどでもないなぁ」という感想でした。
ただここからどんどん繋ぐアウトボードの数が多くなったり、小さな音をプリアンプで大きく持ち上げたりすると機材による音の変化の影響をより大きく受ける、という事は1つ注意点として認識しておいたほうがいいかなと思います。
今回の比較はあなたにはどう感じられたでしょうか?
今回のまとめ
今回はアナログ機材に通してみたときに起こる最低限の音の変化について記事にしてみました。
たしかに音は変化(もしくは劣化)します。
ただ程度問題では?といったところかなと思います。
in/outの少ないインターフェイスを使っていて、アナログシンセやプリアンプやアンプシミュなんかのルーティングをまとめたい時なんかに、手元にアナログミキサーやパッチベイを導入するのはすごくありだと思います。
個人的な感想としては「利便性>音の変化」かなぁ~と感じるからです。
しかし音質にシビアな方の感想は、僕とはまた違うのかもしれません。
僕もまた、将来的には意見が変わることもあるかもしれません。
それぞれ今の自分が納得できる個人環境で、ぼちぼちとDTMを続けていきましょう。
それでは。